ノートパソコンを分解する時の基本パターン

2019-09-30

ノートパソコンを分解する基本のやり方を紹介します。
メーカーや機種に関係なく、どのノートパソコンを分解すつ時でも共通の基本的な分解方法です。

ノートパソコンを分解する際、メーカーや機種によって各パーツの分解方法は違います。
分解前にネットでメーカーや型番で同機種の分解方法を確認する人がほとんどでしょう。

でも、ノートパソコンの分解には基本パターンがあります。
分解の基本はどんなノートパソコンでも共通です。
基本の分解方法を知っておけば、とても便利です。

  • 同機種のノートパソコン分解方法を解説したページが見つからない
  • 情報が少ない機種のノートパソコンを分解する
  • 情報があってもテキスト情報だけで分かりにくい
  • 新しく出たばかりの機種のノートパソコンを分解する

などで役立つ、ノートパソコンの分解ノウハウです。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

ノートパソコン分解の基本テクニック

ノートパソコンの分解に役立つ基本の工具類を書いておきます。

パソコンの状態を確認する

不具合があるパソコンの場合、まず電源を入れて状態を確認します。
ジャンクのノートパソコンを買ってきた時も、まずは状態確認をしましょう。

まずは、BIOS画面の確認をします。

▼BIOS画面の確認
ノートパソコン分解前はBIOS画面を確認してみる

電源起動直後にF2を押すとか、メーカーなどによっていくつかパターンがあります。
BIOSが見られたら、メモリやHDDが入ってるか(認識してるか)、累計使用時間がどれくらいかなど確認します。

BIOS画面確認後は、ふつうに電源を入れてみます。
HDDがなければ、インストール画面が表示されます。
HDDあるなら、OSを起動させます。

  • PCが起動しないなら、何が原因で起動しないのか
  • 起動時にエラーは出ていないか
  • 起動してみてファンやHDDから異音がしないか
  • 通常より熱くなりすぎていないか(熱暴走してないか)
  • バッテリーは充電しているか
  • ネットがつながるか(有線と無線)
  • 音声出力が正常か

など気になる箇所がないか確認します。

バッテリーを外す

分解前は電源を抜いて、バッテリーを外します。
感電したら危ないですから、忘れずにバッテリーを外します

付属品(パーツ)の有無を確認

バッテリー、HDD(SSD)、電源ケーブル、メモリなどがあるか確認します。
ジャンクのノートパソコンだと、メモリやHDDが入ってないとかふつうです。

ジャンク購入時に書かれている状態や付属品には間違いもあるので、チェックした方がいいです。

電源が入らないジャンクには、メモリが入ってないこともあります。
ところが、メモリを挿すだけでふつうに起動することがたまにあったりするのでメモリ確認は重要です。

同一機種のノートパソコン分解情報を探す

メーカーや機種名(型番)などで同じノートパソコンの分解方法の情報を探します。

「(機種名) 分解」と検索するといいです。
「レッツノート CF-S9 分解」「dynabook t653 分解」みたいな感じですね。

同一機種がない場合は、メーカー名や該当のノートPCシリーズ名を入れて近い機種の分解情報を探してみて下さい。

多少の違いはあっても、メーカーごとで分解方法が似通ってるので参考になることが多いです。

分解前の写真を撮っておく

底面のネジの配置を分解前に写真に撮っておきましょう。

ネジは磁石シートに置いたところでも写真を撮っておくといいです。

▼ネジは磁石シートに置くと便利
ノートパソコンの分解時、外したネジは磁石シートに置いておくと便利

万が一、作業中にネジが倒れたりバラバラになっても、写真があれば元に戻せます。

フロントカバーを外してから更に分解する場合には、マザーボードのケーブルやコネクターなども写真に撮っておきましょう。
ケーブルやコネクターは場所、色や形で分かるはずと思っていても、案外分からなくなります。とくに、一箇所に数本のケーブルなど集中してると間違えやすいです。

底面のネジから外す

基本的に、見えてるネジは全部外します。
ネジを回す時は、ネジなめしないよう《押す力7・回す力3》です。

外したネジは、後で戻す時分かりやすいように並べておきます。
マグネットシートがあれば、その上に載せておくと転がりにくいので重宝します。
(水道工事の宣伝でポスティングされてる磁石でOK)
名刺入れの空ケースに磁石シートを入れると、作業をいったん中止する時もフタをして保存できるのでおススメです。

DVDドライブ付近(ドライブを外した内部やフタの下・横など)にもネジがあることがあります。
もちろん全部外します。

大きめのノートPCなど底面の一部だけフタが開くタイプもあります。
フタを開けて見えているネジを全部外します。
見えているケーブルもあれば外しておきます。

ノートパソコンの内部でも外側でも、見えるネジは全部外すのが基本です。
もちろん、分解し慣れた機種で、ネジを外す必要が無いと分かっているなら、不要なネジは外さなくてもいいです。

キーボードやカバーは強引に外さない

キーボードやトップカバーを外す時に引っかかりを感じたら、見逃した(隠れてる)ネジがないか確認しましょう。
キーボードとカバーが外れないだけならいいですが、爪が折れたり、カバーに割れや凹みを作ってしまいます。

機種によってはキーボードが折れ曲がるタイプもあるので、ヘラを上手く使って折れ曲がらないように外します。

キーボード、もしくはトップカバーの裏で、キーボードケーブルがつながっています。
ケーブルが切れたりしないよう、接続箇所を確認しケーブルを外してから、キーボードやカバーを取り外します。

パソコンの内部をいじる時も、ケーブル・コネクター・ネジを全部外します。
マザーボード上のケーブルやコネクター、ネジも基本的には全部外します。

ただし、ヒンジ部の扱いには注意が必要です。
ヒンジ部は外さなくてよいことが多いのと、ヒンジ部を外すと戻すのが非常に面倒なケースが多いです。

ケーブルは、(ストッパーみたいな)スイッチレバーを起こすか倒して外すパターンが多いです。
下の写真ではピンク色の印の白い部分がレバーです。

ノートパソコン分解してケーブルを外す時はレバーを上げ下げする

電源ケーブルは非常に固いのでケーブルが切れないよう、丁寧に抜きます。
基板コネクター抜きがあると重宝します。

作業時に、各種ケーブルやコネクターがどこへつながっているか、確認しながら作業するといいです。
スピーカーにつながってるからスピーカーケーブルだなとか、
無線アンテナにつながってるから無線LANケーブルだなとか、
そういうのをひとつひとつ確認していくと次回以降の作業がはかどります。

分解したら内部の清掃

分解してマザーボードまで出したら、ついでにファンなど内部の清掃をしましょう。
ファンに埃や汚れが貯まると熱暴走の原因になります。

▼ファンや送風口には埃や汚れが詰まりやすい
ノートパソコンを分解したらファンと送風口に溜まった埃や汚れを清掃する

エアダスターを吹き付けるだけでキレイになることもあれば、油っぽい汚れで綿棒など使わないと汚れが取れないこともあります。
ファンの清掃時は軸がずれないように注意します。
軸ブレは異音や熱暴走の原因になります。

累計使用時間が長かったり、調子の悪いパソコンであれば、グリスの塗り直しもおススメです。


ノートパソコン分解時の流れは、こんな感じです。
メーカーや機種によって構造が違うので細かいところは異なりますが、分解の基本はどれも同じです。

ノートパソコンの分解に興味を持ったら、ジャンクショップなどで古い型の安いジャンクを買って試すのがおススメです。

ノートパソコンの分解に役立つ工具類の紹介

このページで使ったノートパソコンの分解・清掃に役立つ道具類を紹介します。

レッツノートの分解に必須のvessel +00のドライバーレッツノートの分解に必須の精密ピンセットレッツノートの分解にあると便利な基板コネクター抜き


左から、

ベッセルの+00のドライバー

ノートパソコンの分解に重宝する+00で使いやすいドライバー
先曲がりのピンセット

ケーブルやコネクターなど細かいパーツをいじる時に必須のピンセット
(安い外国製などは直ぐに曲がって使えない)
基板コネクター抜き

小さなコネクターなど外す時に便利
レッツノートの分解に必須のiOpenerレッツノートを分解して掃除するのに必須のエアダスターレッツノートを分解して掃除するのに必須の掃除機アタッチメントノズルレッツノートを分解して掃除するのに必須の極細綿棒


左から、

iOpener
ホットボンドや粘着テープで貼られてる部分を再利用できるようキレイに剥がでる
エアダスター
マザーボード上やファンなどパソコン内部の清掃に
掃除機のアタッチメント・ノズル
細いノズルで埃の固まりを一気に吸い出す(エアダスターのようにゴミを散らかさない)
極細綿棒
ファンの清掃で粘りけのある埃や汚れをキレイにする時など便利

ノートパソコンの分解に役立つ道具の紹介

ノートパソコンの分解・清掃などに役立つ道具類を紹介します。

《左上から時計回りに》
赤ちゃん綿棒
ファンのすき間など掃除に使います。せっかくノートパソコンを分解したなら、掃除もしておきましょう。
エアダスター
これも掃除用です。以前、秋葉原で安いのを買ったら連続使用ができなくて、安物外の銭失いになったことがあります。
すきまノズル
これも掃除用です。自宅でノートパソコンの分解をするので、何でもダスターで吹き飛ばすということはしません。埃やゴミはなるべく掃除機で吸い取って、吸い残しだけエアダスターを使います。 以前は、サンワサプライのバキュームアタッチメントを使ってましたが、掃除機を替えたら入らなりました。自宅の掃除機ホースの内径に合う方をどうぞ。
プラスチックのヘラ
ヘラはプラスチックも1本あった方がいいです。
金属のヘラ(スパッジャー)
金属のヘラで細長いのが1本あるといろいろ使えます。
VESSELのドライバー(+00)
ノートパソコンの分解に重宝するドライバーです。だいたい、これで行けます。
VESSELのボールグリップドライバー(+1)
写真は長さ違いで同じものが2本並んでます。底面のゴム足のとこやモニターのヒンジなど大きいネジに。力のいるねじ回しは大きめの方が接着面積が広くなって開けやすくなります。
精密ピンセット TS-15
ノートパソコンの分解には必需品です。中華製品など安いのだとグニャっとなります。ピンセットは信頼あるものを買いましょう。
ピックアップツール(マグネット)
ネジがなめかけてて出てこないとき磁石で取ったり、小さなネジを中に落としたとき拾うなどwリト活用します。なめかけネジを救った回数は数知れず(写真はiFixitに入っていたツール)
ラジオペンチ
写真のラジオペンチ(プライヤー)は先曲がりタイプです。ロングノーズ、先細など自分の使いやすいのでいいと思います。ジャンクを扱うときは結構使うことがあります。

あると便利なもの。


《左上から時計回りに》
クリーナー
内部の汚れ落としやグリスの塗り直しにも使います。
三角のヘラ
iFixitについてる三角のヘラは、ニコイチなどでモニターの枠を外したりするとき重宝します。スマホの電池交換でも役立ちます(細いすき間に差し込んで、そのまま挟んでおける)。 iPhoneの電池交換で付属品に中華製の三角ヘラがあったので使ったのですが、まったく別物でした。色まで同じ青にしてますが、中華のヘラはその場で壊れたので、自分の道具を出しました。
ネジすべり止め液
ノートパソコンのネジは小さい(細い)のが多いので、ネジがなめることがままあります。ジャンクだとなめかけのネジやなめ切ったネジはよく見かけます。ネジすべりどめ液はなめかけネジに重宝します。
iOpener
ノートパソコンやタブレットの内部にはホットボンドやシール接着がよく使われています。代わりのきかないシールなどは再利用できるように、iOpenerで丁寧に剥がします。

iFixitを買おうか悩んだら? セットのツールがすべて(自分にとって)使えるものではないと考えておきましょう。 自分には不要なツールがほとんどでも、欲しいツールがあるから良いと思える人にオススメです。
類似商品に注意しましょう。 似たようなツールのセットがiFixitより安価で販売されていますが、長く使いたい場合は信頼できるものを選んだほうが良いと思います。
《その他、写真無し》
マグネットシート(水道屋のでもOK)
ネジを分かりやすい配置で置いておけます。空の名刺入れに入れて使うと、作業の途中でフタできるのでなお便利。
ネジ入れに使う箱
同種のネジなどを分けて取っておきます。同じメーカーをよく分解するなど、ネジケースが役立ちます。チャック付きの袋(目薬が入ってるような袋)もねじ入れに使えます。