自作キーボード「ErgoDash」を組み立てました!

自作キーボード「ErgoDash」を作りました。
別の自作キーボードを見に行ったのですが、夫はErgoDashがお気に召したようです。
写真付きで組み立てて順を紹介します。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

自作キーボード「Ergodash」のパーツ(買い物)

エルゴダッシュを組み立てるために購入したものです。

Ergodashの組み立てセット(13,000円+税)
キースイッチ【Gateron Silent スイッチ/茶】(700円/10個*64個)
Kailh BOX スイッチ(420円/10個*6個)

上記は、いずれも遊舎工房にて購入。

他に、以下のパーツが必要です。
今回は、家にあるもので間に合わせましたが、持ってない人は買って下さい。
キーキャップ(pimpmykeyboard.comなどネット通販でも買えます)
Micro USBケーブル
TRRSケーブル(4極3.5mm)

キースイッチとキーキャップの数は、親指の部分をどう使うかによって数が前後します。

Ergodashキットの中身

PCB(基盤) 2枚
アクリルプレート(ケース)
ダイオード
ProMicro 2枚
コンスルー 4個
TRRSケーブル 2本
リセットスイッチ 2個
スタビライザー 2セット
ネジ類とスペーサー(ケース組み立て用)
ゴム足シール

Ergodashの組み立て手順

自作キーボードの組み立ては、大まかに3つの作業があります。
1 はんだ付け
2 ケースやキーキャップを組み立てる
3 ファームウェアを焼く

ErgoDashの組み立ては『ErgoDashのビルドログ』を参考にしています。

また、事前の準備として、キースイッチの打鍵感をなめらかにしました。
(ぬるぬるにしたい場合だけやります)

ErgoDash用のキースイッチ

キースイッチを分解して、パーツ同士が接触する箇所に潤滑油を塗ります。
自作キーボードでキースイッチの打鍵感を滑らかにする【Lube】 を参照のこと

それでは、Ergodashを組み立てた手順を写真付きで紹介します。

① ProMicroの差込口を接着剤で固める
ProMicroの差込口は割ともろいです。
マイクロUSBケーブルを何度も抜いたり挿したりしてるともげるとか。
もげるのを防ぐために差込口を接着剤で固めます。

ProMicroの差込口が取れないよう接着剤で固定する

接着剤が固まるのに時間がかかるので、これは最初にやっておきます。

② ダイオードをはんだ付けする
はんだ付けするために、ダイオードをPCB基板にはめていきます。
ダイオードはまとめて折ると楽です。
10〜11mmで折り曲げると合います。

Ergodashの組み立てに使うダイオードをまとめて折り目をつける

PCB基板には、ダイオードを載せるところに印がついてます。

ErgodashのPCB基板上でダイオードの印を確認する
ダイオードをセットするところ(ピンク色)は
(LEDの抵抗をセットするところ(緑色)は

また、ダイオードには向きがあります。
丸い方に、四角い方にが向くようにセットして下さい。

Ergodash
ピンクの印は見逃してました。後でダイオードを載せました)

足が長いままだとはんだ付けしにくいので、余分なところをニッパーで切ります。

Ergodashの組み立てでダイオードのはみ出た針金をカットする

このまま切るとダイオードが取れるので、マスキングテープなどで止めておきましょう。

Ergodashの組み立てでダイオードをマスキングテープで止める
ピンクの印は見逃してました。後でダイオードを載せました)

基板ごとビニール袋へ入れて、袋の中でカットすると安全です。
外で切ると、針金がどこかへ飛んで行ってしまいます。

③ TRRSジャックとリセットスイッチのはんだ付け
TTRSジャックとリセットスイッチをPCBに載せます。
どちらも差込口が外側になるようにします。
マスキングテープで仮止めしたら、はんだ付けします。

Ergodashの組み立てでTRRSジャックとリセットスイッチを載せてテープで止める

下の写真は、PCBを裏返したところです。
ピンク色の□がTRRSジャンクです。
緑色の□がリセットスイッチです。

④ ProMicroにコンスルーを合わせてPCBに載せる
ProMicroにとりあえずコンスルーをはめます。
コンスルーの側面を見ると、各ピンの間に小さな穴があります。

コンスルーの穴を2本とも同じ方向に合わせます。
下の写真で言うと、左のコンスルーは2本とも穴の有る方が手前を向いています。
右のコンスルーは2本とも穴のない方が手前に向いています。

Ergodash

PCBへ挿すときは、穴に近い方をProMicro側に向けて挿します。
左側は穴が手前に向いているので、穴の列がProMicro側に寄っているのが分かると思います。
上の写真をクリックすると大きな写真で確認できます。

ErgodashのPCBにProMicroを載せたところ(左)ErgodashのPCBにProMicroを載せたところ(右)



ここでは、まだProMicroのはんだ付けはしません。

※コンスルーについては『自作キーボード「IRIS」』ページで「ProMicroにコンスルーをはめる」詳細を写真で説明しています。

⑤ スタビライザーを組み立てて、PCBにはめる
スタビライザーを使う場合は、組み立てます。

Ergodash用のスタビライザーを組み立てる

※スタビライザーについては『自作キーボード「Mint60」』ページで「スタビライザーの組み立て」詳細を写真で説明しています。

組み立てたスタビライザーをPCBにはめます。
スタビライザーの足は、片方だけ引っかかる足(ピンク色)を先に挿してから、両側に開く足(緑色)を差し込むとカチっとはまります。

Ergodashで組み立てたスタビライザーをPCBにはめる(ウラ面)

しっかりはめられました。

Ergodashで組み立てたスタビライザーをPCBにはめる

⑥ アクリル板にはめたキースイッチをPCB基板にセットする
キースイッチをアクリル板にはめたら、PCB基板に差し込みます。

Ergodash

キースイッチのお尻の丸い部分(下の写真でピンク色の印)が基板の反対側へしっかり出るようひとつずつ確認します。

このとき、ProMicro下(下の写真で黄色で囲んだ部分)のスイッチの足を少し切ります。
(ProMicroを載せたときに接触してしまうので)

Ergodashの組み立てでアクリルにキースイッチを載せて、PCBにはめたところ

キースイッチを全部はめたら、はんだ付けします。

⑦ ファームウェアを焼く
キースイッチをはめたら、ケースを組み立てる前に、ファームウェアを焼きます。
(ケースを組み立ててしまうと、はんだのやり直しが面倒になる)

Ergodashを認識したところ

上の写真は、ケーブルを差し込んでErgodashを認識したところです。

Firmwareを焼くやり方は、他の自作キーボードを作ったときのページ、もしくはErgoDashのページを参照して下さい。
自作キーボード「miniaxe」を電子工作ど素人が作ってみた
自作キーボードのkeebio「IRIS」を作ってみた
ErgoDashのビルドログ

ファームウェアの書き込みができたら、入力できるか確認します。
全部のキーをひとつずつ押していきます。
長押し、連続押しなどもして確認すると、より安全です。

今回は、1箇所入力できないキーがありました。
「i」のキーが入力できず、はんだをやり直しても反応しないので、はんだを溶かしてスイッチを外しました。

反応しないキースイッチを分解してみると、スイッチを押しても中の金属板に接触しないことが判明。
スイッチ自体の不良です。
幸い、同じスイッチがあったので、キースイッチを交換してはんだ付けしたら、入力できるようになりました。

※ キースイッチは、はんだ付けすると不良でも交換してもらえません。
心配な場合は、キースイッチを使う前にひとつずつテスターで確認するといいかもしれません。

キースイッチの入力確認ができたら、アクリルケースを組み立てて、キーキャップをはめます。

Ergodashにキーキャップをはめていく

ErgoDashの出来上がりです!
サイズの合うキーキャップが売ってなかったので、とりあえず使えるキーキャップで間に合わせました!

Ergodash

下の写真は、完成したErgoDashを裏側から見たところです。

Ergodash

ProMicroとアクリル板の間にゴミのようなものが挟まっていますが、わざとです。
ProMicroをはんだ付けせずに使いたいので、プカプカ浮かないように紙を挟みました。

Ergodashの組み立てに使った道具類

エルゴダッシュの組み立てに役立つのは以下の道具です。

ノートパソコンの分解に役立つ道具の紹介

ノートパソコンの分解・清掃などに役立つ道具類を紹介します。

《左上から時計回りに》
赤ちゃん綿棒
ファンのすき間など掃除に使います。せっかくノートパソコンを分解したなら、掃除もしておきましょう。
エアダスター
これも掃除用です。以前、秋葉原で安いのを買ったら連続使用ができなくて、安物外の銭失いになったことがあります。
すきまノズル
これも掃除用です。自宅でノートパソコンの分解をするので、何でもダスターで吹き飛ばすということはしません。埃やゴミはなるべく掃除機で吸い取って、吸い残しだけエアダスターを使います。 以前は、サンワサプライのバキュームアタッチメントを使ってましたが、掃除機を替えたら入らなりました。自宅の掃除機ホースの内径に合う方をどうぞ。
プラスチックのヘラ
ヘラはプラスチックも1本あった方がいいです。
金属のヘラ(スパッジャー)
金属のヘラで細長いのが1本あるといろいろ使えます。
VESSELのドライバー(+00)
ノートパソコンの分解に重宝するドライバーです。だいたい、これで行けます。
VESSELのボールグリップドライバー(+1)
写真は長さ違いで同じものが2本並んでます。底面のゴム足のとこやモニターのヒンジなど大きいネジに。力のいるねじ回しは大きめの方が接着面積が広くなって開けやすくなります。
精密ピンセット TS-15
ノートパソコンの分解には必需品です。中華製品など安いのだとグニャっとなります。ピンセットは信頼あるものを買いましょう。
ピックアップツール(マグネット)
ネジがなめかけてて出てこないとき磁石で取ったり、小さなネジを中に落としたとき拾うなどwリト活用します。なめかけネジを救った回数は数知れず(写真はiFixitに入っていたツール)
ラジオペンチ
写真のラジオペンチ(プライヤー)は先曲がりタイプです。ロングノーズ、先細など自分の使いやすいのでいいと思います。ジャンクを扱うときは結構使うことがあります。

あると便利なもの。


《左上から時計回りに》
クリーナー
内部の汚れ落としやグリスの塗り直しにも使います。
三角のヘラ
iFixitについてる三角のヘラは、ニコイチなどでモニターの枠を外したりするとき重宝します。スマホの電池交換でも役立ちます(細いすき間に差し込んで、そのまま挟んでおける)。 iPhoneの電池交換で付属品に中華製の三角ヘラがあったので使ったのですが、まったく別物でした。色まで同じ青にしてますが、中華のヘラはその場で壊れたので、自分の道具を出しました。
ネジすべり止め液
ノートパソコンのネジは小さい(細い)のが多いので、ネジがなめることがままあります。ジャンクだとなめかけのネジやなめ切ったネジはよく見かけます。ネジすべりどめ液はなめかけネジに重宝します。
iOpener
ノートパソコンやタブレットの内部にはホットボンドやシール接着がよく使われています。代わりのきかないシールなどは再利用できるように、iOpenerで丁寧に剥がします。

iFixitを買おうか悩んだら? セットのツールがすべて(自分にとって)使えるものではないと考えておきましょう。 自分には不要なツールがほとんどでも、欲しいツールがあるから良いと思える人にオススメです。
類似商品に注意しましょう。 似たようなツールのセットがiFixitより安価で販売されていますが、長く使いたい場合は信頼できるものを選んだほうが良いと思います。
《その他、写真無し》
マグネットシート(水道屋のでもOK)
ネジを分かりやすい配置で置いておけます。空の名刺入れに入れて使うと、作業の途中でフタできるのでなお便利。
ネジ入れに使う箱
同種のネジなどを分けて取っておきます。同じメーカーをよく分解するなど、ネジケースが役立ちます。チャック付きの袋(目薬が入ってるような袋)もねじ入れに使えます。