【DIY】3Dプリンター「Ender-3x」を組み立ててみました!

Ender-3x

我が家では自作キーボードのブームが続いています。
自分好みのキーボードを作るのにどんな形状のケースにするか、あれこれ悩んでるうちに夫が3Dプリンターが所望。

オープンソースで自分で組み立てられて(DIY)、そのプリンタで作ったパーツで仕様変更やバージョンアップができる(自己複製)点が気に入り、RepRap pursa i3の中から選ぶことにしました。

価格の安さ(24,500円)も考慮して、最終的に「Ender-3x」を購入しました。

Ender-3xの組み立てと調整について、カンタンに解説します。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

3Dプリンター「Ender-3x」の組み立て

組み立て自体は、それほど難しくないかと思います。
おおむね同梱されている説明書の通りで組み立てできます。

カンタンに説明していきます。

まずは、Ender-3xのパーツと工具類です。

▼Ender-3xのパーツ(1)
Ender-3xのパーツ

▼Ender-3xのパーツ(2)と工具
Ender-3xのパーツと工具

余分に入ってるネジやら、最後まで使わなかったものもあります。
ネジ類はM4とM5ばかりで紛らわしいです。
後ろの《×8》《×16》とかの数字までしっかりと確認して使いましょう。

六角レンチが弱くて回しにくいです。
何度かネジが舐めそうになりました。
買い替えは面倒なので、ネジが舐めないよう・レンチが曲がらないよう丁寧に回しましょう。

では、組み立てに入ります。

▼Ender-3xの支柱をつける
Ender-3xの支柱をつける

使うパーツは最初の画像内にある番号と照らし合わせて確認します。
【15】と【16】の2本が支柱になります。

区別がつきにくいですが、ネジ穴から棒の端までの距離を見て違いを確認して下さい。

▼電源と操作パネルをつける
Ender-3xに電源と操作パネルをつける

230Vか115Vから選ぶように注意書きがあります。
日本では115Vに合わせて下さい。

この電源ですがネジ穴の位置を合わせてみると、少し浮いた状態になります(イラストでは見えにくい)。
電源はそれなりに重く、ネジ穴の位置で動かさずに持つのは厳しいです。
私はいったん支柱をはずして、電源を棒にネジ止めしてから、支柱を立て直しました。

▼ベッドの高さを決めるパーツを入れる
Ender-3xにベッドの高さを決めるパーツを入れる

【9】のパーツはベッドの一番低い位置を決めるパーツです。
上下に微調整するので、スライドするようになっています。

上の説明イラストで左下に正しい例と悪い例が描かれていますが、間違い探しのようで分かりにくいですね。

▼ダメな向き
ダメな向き

縦に向いたまま通すのはダメです(緑の×印)。
横向きにして入れて下さい。

▼正しい向き
正しい向き

横向きで通ります(ピンク色の囲み)。
縦向きでも入ってしまいますが、縦を向いてるとパーツが支柱から浮く(カパカパする)ので分かります。

▼Z軸を上下させるパーツを付ける
Enda-3xのZ軸を上下させるパーツを付ける

【8】はZ軸(上下方向)を手動で動かせるパーツです。
白い筒状のパーツに隠れ気味ですが、ネジ穴があります。

【17】は長いネジ状の棒です。
外側のゴムホースは外して下さい。

▼X軸を移動させる棒を付ける
Ender-3xでX軸を移動させる棒を付ける

【6】はフィラメント(インク)を吐き出すパーツです。
金色の小さいパーツは、フィラメントの通り道(取り込む)になります。

【18】がX軸(左右方向)に移動させるための棒です。

【6】が【18】の凹みを通るように取り付けます。

▼ネジだけ先にはめる
ネジだけ先にはめる

ネジは板と板の間に入れます。
先に中からネジだけはめておきます。

▼ネジは上の板の穴を使って回す
ネジは上の板の穴を使って回す

上の板に空いてる穴を使って、ネジを締めます(ピンク色の囲み)。

▼X軸にゴムベルトを通す
Ender-3xでX軸にゴムベルトを通す

【14】のゴムベルトをX軸に通します。
凹凸がある方を内側にして、途中でねじれたりしないように巻きつけます。

▼X軸の棒に車輪付きパーツを付ける
Ender-3xでX軸の棒にスライドさせるためのパーツを付ける

【4】はX軸の棒を上下にスライドさせるための車輪付きパーツです。

【5】はX軸上を左右に移動するフィラメントの出口パーツです。
X軸の棒の凹み(レール)に車輪を通します。
【5】のパーツに先ほどのゴムバンドを引っ掛けます。

【4】と【5】の向きに注意して取り付けましょう。

▼車輪付きパーツの向き
車輪付きパーツの向き

【4】【5】とも棒の後ろから車輪が見えるような向きになります。

▼X軸のゴム調整パーツを付ける
X軸のゴム調整パーツを付ける

【7】はX軸のゴムバンドを微調整するパーツです。
このsetp8の説明イラストに下部にある正しい例と悪い例、step3でも見ましたね。
これもstep3同様、縦向きでなく横向きに通して下さい。

説明イラストの右端に『Tighten』と赤い矢印が書かれています。
【7】を動かすことでゴムバンドの張り具合を調節するのですが、説明用の写真を撮り忘れました。

はじめは緩すぎず、ノズルが付いた部分(上の写真の中央の灰色パーツ)がスムーズに動けばいいと思います。

後述の参考動画にゴムベルトの張りを調整するやり方があります。
(↑長い動画なので、ゴム調整をピンポイントで時間指定しています)

▼X軸の棒を支柱に通す
Ender-3xでX軸の棒を支柱に通す

先ほど仕上げたX軸の棒を2本の支柱に通します。

▼レールに車輪を通す
レールに車輪を通す

支柱の凹み(レール)に車輪が通るようにしてはめます。

▼てっぺんの棒を付ける
Ender-3xにてっぺんの棒を付ける

【19】をてっぺんに載せ、ネジ止めします。
【19】の棒は向きがあります。
傷跡のように見える方を上にしてネジを止めます。

【12】はプラスチックの四角いフタです。
両脇の棒は切り口が荒く、肌にこすると切れたり刺さったりして危ないのでフタで閉じます。
(このブログ記事で組み立て方をまとめるまでフタの存在に気づかず、そのまま使っていました)

▼フィラメントを乗せる台を付ける
Ender-3xにフィラメントを乗せる台を付ける

【10】と【11】はフィラメント(インク)を乗せておく台です。
【11】の凹んでる方が前を向くようにします。
【11】の穴に丸いパーツを合わせ、後ろから【10】の筒をはめこみます。
丸いパーツがフタのような感じで止まります。

フィラメントを乗せるためのネジはてっぺんの棒の凹みにはめます。
ネジ台のパーツは両脇がレールに隠れるように向きを合わせて下さい。

▼正しい向きとダメな向き
正しい向きとダメな向き正しい向きとダメな向き

ネジ台をレールに入れたら、先ほどのフィラメント用パーツをネジ止めします。

▼配線をつなぐ
Ender-3xで配線をつなぐ

各ケーブルをつなげば、(とりあえず)完成です!
ケーブルの差込口が探しにくいのもあります(下側や内側など)

▼操作パネルの裏側につなぐ
操作パネルの裏側につなぐ

step12の説明イラストで右の上から2番目は操作パネルの裏側にある基板に差込口があります。

これで(形だけは)Ender-3xの出来上がりです!!

《Ender-3X 組み立ての参考動画》
参考動画リンクEnder-3Xの組み立て説明

《Ender-3X 配線と調整の参考動画》
参考動画リンクEnder-3Xの配線と調整説明

3Dプリンター「Ender-3x」の配線と調整

組み立て作業自体は、特別難しくはありません
(説明書が少々不親切なのと、イラストが分かりにくいくらい)

Ender-3xを自作する過程で難しいのは調整です。
調整は2段階に分けて考えたらいいと思います。

1段階目はベッドの調整です。
ベッドとは、3Dプリンターがフィラメントを吐き出して作品が作られる台のことです。

そもそもベッドがぐらついてます。
参考動画でもグラついてましたし、我が家のもグラついてました。

ベッドがグラついてるとお話になりません。
すでに組み立ててある部分を分解して直すのはシャクですが、仕方ないですね。

▼ベッドを水平に調節する
Ender-3xのベッドを水平に調節する

上の写真の真ん中にある黒い台がグラグラでした。
白い台の四隅のネジを外して、黒い台のネジを締め直します。
Y軸の滑り(手前に伸びているゴム)が気になるようなら、ゴムの張り具合も調節します。

付属の強化ガラスを乗せて、ノズルのパーツを前後(Y軸)と左右(X軸)へ動かし、盤面とノズルのすき間が均一になるようにします。

ベッドを水平に調節する作業は、かなり根気がいる作業だと思います。
四隅で強化ガラスと机(に敷いたマット)の距離を物差しではかったら、左右で3mmくらい違いました。

ネジを締めたり緩めたりしながら、何とかほぼ水平になるまで(夫が)調整しました。

ベッドの調整ができたら、いよいよテストプリントをしてみます。

テストプリントをしながら、ベッドにフィラメントを定着させる作業が2段階目の調整です。
最初はフィラメントが滑ってしまい、なかなか台にくっついてくれません。

もとから付いてるテストプリントは犬の置物です。
サンプルのフィラメントでは足りない上、プリント終了まで6時間もかかるので、別のものでテストしました。

▼3Dプリンターで出したキーキャップ外し
3Dプリンターで出したキーキャップ外し
Thingiverse(キーキャップ外し)

フィラメントが少なく、曲線もあるキーキャップ剥がしです。

1回目は、ノズルの先にニョロニョロとインクが丸まって即終了。
フィラメントを強化ガラスに定着させるのがとても大変です。

強化ガラスにすでに購入してあったフィルターを貼ると、少し定着するようになりました。
6回目のテストでようやくキーキャップ剥がしができました

3Dプリンターでフィラメントを定着させるためにしたこと
✓ノズルをギリギリにする
(プリント用紙は通るけど、ノズルの先端が微かに触れて紙をこするくらい
✓定着を良くするフィルムを貼る
✓操作パネルでベッドの温度を上げる(60℃→65℃)
✓操作パネルでプリントスピードを減速(100%→80%)

とくにノズルとベッドの距離を作るのが大変だったようで、夫はテストプリントも合わせて3時間くらい作業してたと思います。
(1カ所だけでなく、四隅や中央などノズルを前後左右に移動させて、どこも同じ高さになるようにする必要がある)

更に、うちの作業台は足がぐらつくので、10層目くらい重なるまで夫はテーブルの足を踏んで抑えてたと言ってました。

ベッドの温度でなく、フィラメントの温度を高めにしたり、最初の何層か出力するまでは速度を80%にしていたり、いろいろ工夫しました。

また、フィラメントは湿気に弱いようです。
フィラメントの保存方法と開封後の利用について夫が調べてあったので、それに必要なものも購入しています。

いったん開封したフィラメントは、密封できるタッパーやジップロックなどに乾燥剤と一緒に保存します。
乾燥剤はお菓子などに入ってるシリカゲルを使います。
100円ショップなどでも購入できます。

いったん開封したフィラメントがしけってしまったら、乾燥機で乾かしたりしてから使うと良いそうです。
食器乾燥機や食品乾燥機を使うと良いとのことで、食品乾燥機まで買いました。

食品乾燥機の中の網をフィラメントの形状に合わせてニッパーで切りました。
(まだ使ってませんが)

3Dプリンター「Ender-3x」の性能を良くするパーツ

Ender-3xはプリント性能を良くするための調整パーツをEnder-3x自身で作り出すことができます
とりあえず簡単そうなところから、やってみました。

▼フィラメントをノズルに送るハンドルノブ
フィラメントをノズルに送るハンドルノブ
Thingiverse(フィラメントをノズルに送るハンドルノブ)

フィラメントを差込口に入れてから手で押し込むのは大変です。
ハンドルをつけて、回すだけで奥までフィラメントを通せるようにしました。
(ピンクになってるのは、回転を分かりやすくするために私がペンで書きました)

▼フィラメントのガイド
フィラメントのガイド
Thingiverse(フィラメントのガイド)

フィラメントの差込口まで、上から真っ直ぐ伸びてる状態だとつっかえてフィラメントが出てこなくなることがあります。
フィラメントの通り道を大きなカーブにすることでフィラメントを回りやすくします。
(それで、一度出力に失敗しました)

▼Z軸のネジ状支柱を固定するパーツ
Z軸のネジ状支柱を固定するパーツ
Thingiverse(ネジ支柱を固定する)

初期のままだと、ネジ状の支柱の上部が固定されません。
ノズル部が上へ移動するときに支柱が揺れると繊細な造形ができないので、ネジ支柱の上部を固定するパーツをつけます。
リンク先では2つパーツがありますが、凸型をしたパーツ(ベアリングを使わない方)で固定してみました。
Ender-3x付属のネジの余りを使えます。

紹介した3つのうち、下の2つを追加したことで、細かな部分の出力がだいぶ良くなりました!

はじめは3Dプリンターの実力に懐疑的でしたが、実際に使ってみると夢がいっぱいです。毎日暇さえあれば、次は何を作ろうかと考えてしまいます。

ただし、調整が面倒なのは間違いないです。
時間の余裕と根気のある人におススメです♪
(私はいまだに調整は夫任せです)

自作キーボード「miniaxe(LP)」の組み立て作業を解説

思いの外、夫が自作キーボード「miniaxe」を気に入っています。
途中、MPUのピン折れという大事故でいささか不細工な仕上がりとなったのにも関わらず、メインキーボードとして愛用中です。
はじめこそキー数の少なさに戸惑ったり新しいキーの配置の練習に苦労したようですが、1週間も立たないうちに「普通のキーボードでは入力できない」などと言い出す始末。
とうとう、HHKBのType-SBluetooth版を洗ってしまうよう言われました!

というわけで。
今度は、『miniaxe(ミニアックス)』のロープロファイル版を作ります。
以下、miniaxe(lp)と書きます。

miniaxeLP

miniaxe(lp)の作り方を、電子工作初心者の目線で紹介します。

◎このページの内容
1 miniaxe(lp)を作るのに買い揃えたもの
2 miniaxe通常版とLP版の違い
3 miniaxe(lp)を組み立てた作業手順
4 miniaxe(lp)を作るのに使った工具類

※この記事内の写真はクリックすると、別ウィンドウで大きい画像を表示します。
※miniaxe(lp)を自作するのに使った道具類は最後に載せています。

miniaxe(lp)を作るのに買い揃えたもの

自作キーボード「miniaxe(lp)」の製作キットは、秋葉原にある遊舎工房で購入しました。
※ 遊舎工房は自作キーボードを作りたい人におススメのショップで紹介しています。

【miniaxe(lp)を作るのに購入したもの】
✓ miniaxe(lp)キット 9,000円
✓ キースイッチ*36 5コで700円=4,000円くらい
✓ キートップ*36 1コ54円=2,000円くらい

miniaxe(lp)の組み立てキットの内容物など詳しく見てみましょう。

▼miniaxe(lp)キット
miniaxe(lp)の組み立てキットの中身

左上から時計回りに各袋の内容物です。
✓ キーキャップ(別売り)
✓ キースイッチをはめるソケット(別売り)
✓ PCB(左右)とケースプレート(左右*2)
✓ ケースを組み立てるネジ類
✓ ゴム足とケーブル
✓ PCB(基板)にはんだ付けするパーツ

※ キースイッチが品切れだったので、キースイッチが映ってませんが、使ったのはこれです↓
Kailh Low Profile Choc Switches
Kailh Low Profile Choc Switches

PCBにはんだ付けするパーツは細かいので別写真で見て下さい。

▼はんだ付けするパーツ各種
miniaxe(lp)ではんだ付けするパーツ各種

① USBコネクタ*2=設置場所【J1、J2】
② MPU(ATmega32u4)*2=設置場所【U1】
③ コンデンサ()(22pF)*5=設置場所【C4、C5】
④ コンデンサ()(1μF)*5=設置場所【C1、C3】
⑤ 抵抗()(22Ω)*5=設置場所【R2、R3】
⑥ 抵抗()(10kΩ)*5=設置場所【R1、R4】
⑦ リセットボタン*2=設置場所【SW20】
⑧ ショットキーダイオード*2=設置場所【D1】
⑨ 水晶発振子*2=設置場所【Y1】
⑩ コンデンサ(色無)(0.1μF)*3=設置場所【C2】
個数が奇数のパーツは、1つずつ予備があります。

miniaxe通常版とLP版の違い

miniaxe通常版はMXキースイッチでキートップの高さもふつうです。
miniaxe(lp)はロープロファイルで、通常版の半分くらいの高さになります。
作業手順の最後にLPの出来上がり写真と通常版のminiaxeを並べているので、高さを見比べたい人はそれで確認して下さい。

それ以外に作業手順での違いを感じたのは、2箇所です。

ひとつはリセットボタンのところ。
リセットボタンは四足以外に2箇所ブリッジさせるようなはんだ付けがあります。
そこがちょっと手間取りました。

もうひとつは、キーソケットです。
見た目はMXスイッチのソケットとそっくりですが、大きさが違います。
通常版のときは上から抑えるようにしてキースイッチもカンタンにはんだ付けできました。
LP版のソケットはコテ先の入るすき間がないので、両端からコテ先を立てて当てるようにしてはんだ付けました。
パッドがギリギリだったので、その分作業が細かく感じました。

オプション作業になりますが、キースイッチの打鍵感をぬるぬるにするために潤滑油(krytox)を塗りました。
LP版のスイッチもMXスイッチよりも小さくて薄い分、ちまちました作業でした。
(翌日、右手首のくるぶしが痛くなった)

miniaxe(lp)を組み立てた作業手順

では、miniaxe(lp)の作業手順を説明してきます。

miniaxe(lp)の作業工程は『MiniAxe LP 組立説明書のページ』を参考にしました。
miniaxeキットの中身と作業で難しいところ』も参照して下さい。

miniaxe(lp)の作り方は、以下のようになります。

① PCBにMPU(atmega32u4)をはんだ付けする
② 水晶発振子をはんだ付けする
③ 抵抗、コンデンサをはんだ付けする
④ ショットキーダイオードをはんだ付けする
⑤ USBコネクタをはんだ付けする
⑥ リセットスイッチをはんだ付けする
⑦ キーソケットをはんだ付けする
⑧ 各パーツのはんだ付けや導通を確認する
⑨ USBでつないで認識しているか確認する
⑩ ケースを組み立てる
⑪ キースイッチとキートップをはめる
⑫ ファームウェアの書き込みをする

たくさんの工程があるように感じますが、実際には以下のような流れで作業しました。

1) 各パーツのはんだ付け→導通確認
2) ケーブルでPCにつないでminiaxeを認識してるかチェック
3) ファームウェア書き込みと出力テスト
4) ソケットのはんだ付け
5) ケースをネジ止めして、キースイッチとキーキャップをはめる

MiniAxe LP 組立説明書のページ』と少し順序が違います。
私はキーソケットを付ける前に、デバイスを確認→ファームウェアを焼いて→出力テストをしました。

それでは、各作業を順番に解説していきます。

まずは、各パーツをPCBボードへのはんだ付けです。

▼まっさらな左右のPCB
miniaxe(lp)PCBminiaxe(lp)PCB


はんだ付け前にフラックスを塗り、終わったらフラックス洗浄剤でキレイにします。
この工程ははんだ付けで毎回やりますが、文中では省略します。

① PCBにMPUをはんだ付けする
MPU(atmega32u4)は四辺に細いピンが11本ずつ出ている小さなチップです。
基板の中心部にある【U1】に載せてはんだ付けします。

MPUを乗せる向きが決まっています。
基板上の◯印とMPU上にある◯印(ピンク色)を合わせるようにして乗せます。

▼MPUの向きを確認する
miniaxe(lp)のPCBにMPU(atmega32u4)をはんだ付けする

ピッチの狭いはんだ付けは難しいですが、すでにminiaxe通常版でMPUのはんだ付けは経験済です。

最初にMPUをはんだ付けした時はなかなか上手く行かなかったので、家にあるジャンク基板の無線LANモジュール差込口で練習しました。

細かいはんだ付けではコテ先選びも重要です。
平たいD型のコテ先斜めにカットされてるC型のコテ先がやりやすいです。

また、はんだも鉛フリーではなく、鉛入りで細めのはんだを使った方がスムーズにはんだが乗ります。

参考ページで紹介されていた動画》
参考動画リンク100ピンQFPの実装(0.5mmピッチ)はんだ付け考察

《MPUのはんだ付けで参考になりそうな動画》
参考動画リンク面実装部品(ピン間0.65[mm])のはんだ付け

かなり細かい作業なので、ルーペ台などあると便利かと思います。

② 水晶発振子をはんだ付けする

水晶発振子はMPUの隣にある【Y1】に設置します。

▼水晶発振子はMPUの隣にある【Y1】に設置
水晶発振子はMPUの隣にある【Y1】に設置

水晶発振子、抵抗、コンデンサ、ダイオード、リセットスイッチなどは表面実装ではんだ付けします。

【Y1】には4箇所パットがあるので、1カ所をつけたら対角線上の角をつけてから、残り2箇所をハンダするといいです。

③ 抵抗とコンデンサをはんだ付けする

抵抗とコンデンサのはんだ付けは、極小粒との戦いです。
▼蚤サイズに小さいコンデンサ
蚤サイズに小さいコンデンサ

注意点は、2つあります。

ひとつは、とにかく見失わないこと。
もうひとつは、コンデンサの見分けがつきにくので間違えないようにすること。

はんだ付けする時に使う分をひとつずつ出します。
一度出したら、目を離さないようにします。
ピンセットでつまむときなど飛び跳ねていくこともあります。

パーツ(色) 数値 個数 PCB設置場所記号
コンデンサ( 1μF 5 個 C1、C3
コンデンサ(色無) 0.1μF 3 C2
抵抗( 10kΩ 5 R1、R4
コンデンサ( 22pF 5 C4、C5
抵抗( 22Ω 5 R2、R3

※個数が奇数のパーツは、1つは予備です。

▼抵抗とコンデンサを乗せる場所
抵抗とコンデンサを乗せる場所
※ 【C2】は色なしなので灰色で囲んでいます(中央、MPUの右脇)

蚤サイズの抵抗とコンデンサをはんだ付けするコツは?

1 片方のパッドに予備はんだを軽く盛る
2 抵抗なりコンデンサを乗せたら、ピンセットや爪楊枝などで軽く抑えながら、はんだを溶かす
3 反対側をはんだ付けしたら、最初の方もしっかりはんだ付けする
4 抵抗(コンデンサ)をピンセットで軽く押して、動かないようならOK

▼逆作用ピンセットで挟んだ抵抗
逆作用ピンセットで挟んだ抵抗

逆作用ピンセットを使うやり方も試してみましたが…抵抗やコンデンサのような極小サイズのパーツは軽く抑えながらはんだ付けしたほうがやりやすかったです。

ピンセット類だとはんだが溶けるときの勢いで、立ち上がったり端へ寄ったりしてしまうけど、上から抑えながらだと失敗せずにはんだ付けできました。

人によってやりやすい方法があると思うので、いろいろ試して自分のやり方を見つけるのがいいと思います。

④ ショットキーダイオードをはんだ付けする

次にショットキーダイオードのはんだ付けをします。
設置場所は【D1】です。

ダイオードには《向き》があるので、必ず確認しましょう。

▼ダイオードの向きを確認する
ダイオードの向きを確認する

【D1】のパッドの間に向きを示す印があります。
右へ向いてるので、ダイオードの白っぽくなってる方をそこに合わせます。

⑤ USBコネクタをはんだ付けする

四足を穴に挿したらいったんマスキングテープなどで固定すると安心です。
先に基板上につながるピン(ピンク色のところ)をはんだ付けしてから、4本の足をはんだ付けします。

▼USBコネクタのはんだ付け
USBコネクタのはんだ付け

このピンのはんだ付けもminiaxe(lp)で難しいところのひとつです。
ピッチが狭く細いピンをはんだ付けするのも大変ですが、すぐ上にコネクタが被さってるのでちょっとやりにくいです。

▼USBコネクタの裏側
USBコネクタの裏側

USBコネクタの足は裏側からはんだ付けします。
表にはんだが盛り盛りするくらいしっかりはんだを入れます。

⑥ リセットスイッチをはんだ付けする

リセットボタンは【SW20】にはんだ付けします。

▼リセットスイッチを乗せるところ
リセットスイッチを乗せるところ

写真の【SW20】にはパッドが6箇所あります。
リセットボタンをよく見てみると四足以外に、上下にも小さな金属の出っ張り(ピンク色の印)があります。

▼リセットボタンの出っ張り部分
リセットボタンの出っ張り部分

この上下の出っ張りを基板上のパッドにはんだするのが結構大変でした。
(何度も何度もやり直しました)
予備はんだを盛っておいて、ブリッジさせるような感じでやりました。

細かいはんだ付けはこれで終わりです。

⑦ ケーブルでつないで認識確認し、出力もチェックする

ここでいったんPCにつなげて、、USBデバイスが認識されているか確認します。
更に、認識していたらファームウェアを焼き、ひとつひとつのキーがちゃんと出力されるかチェックします。

▼先に入力の確認をする
先に入力の確認をする

やり方は、各キーのパッド(ピンク色の印)にピンセットなどで触れるだけです。
(写真では奥のピンセットが少しずれてます)

例えば、上の写真は左手の内側の最上段なので「t」が出力されます。
その隣は「r」「e」…というように文字が出てくるはずです。

文字が正しく出力されなければ、導通してないということ。
2つ3つ同時に出力されていたら、ブリッジしているということ。
はんだのやり直しがある場合でも、ソケットを付ける前なら楽です。

左手は、今回も一発でデバイスを認識しました。
右手は、今回もなかなかデバイスの認識してくれません。
前回の失敗を踏まえ、認識しなくてもMPUを外すことはせず、はんだを溶かして再度はんだ付けし直す作業を繰り返しました。
(結局7〜8回ほど繰り返した)

もう絶対上手くできてるはず! とイライラして、テスターで目視で分かるすべての導通チェックをしました。
そうしたら、ようやく右手もminiaxe(lp)を認識してくれました。

ちなみに、私も夫も回路図が読めません。
導通チェックは素人なりのやり方でやっています。
各パーツは両端で導通確認、それから基板上のつながりを目で追って、その先との導通チェックをする感じです。
あとはUVCC-GND、VCC-GNDのチェックとブリッジしてないかの確認もします。

出力確認では付属のケーブルでは文字が出力されなくて、いまminiaxeで動いてるケーブルに変えたちゃんと出力できました。

自宅にケーブルの予備がある人はいいですが、ない人は確認しようがないかも?
(この記事を書いてる最中にもう一度試してもらったら認識ましたが…なぜでしょうね)

⑧ キーボードのソケットをはんだ付けする

出力確認も済んでいるので、残りの作業は安心です。

ソケットはminiaxe通常版でも使いましたが、ロープロファイル版のソケットはひと回り小さい分、手間がかかりました。

ソケットの両端のすき間にコテ先が入らないので、外側からコテ先を立てて金属同士が触れるよう押し付けながらはんだ付けしました。

【SW7】【SW8】の2ヶ所だけ向きが違っているので、間違えないように注意して下さい。

▼キーソケットのはんだ付けが終わったところ
キーソケットのはんだ付けが終わったところ

miniaxe(lp)では、キーボード用のソケットを使います
ソケットを使うと、上に載せるキースイッチ(とキートップ)が取り外し可能になります。

新しく別の自作キーボードを作るときに、キースイッチとキートップを再利用できるので、経済的です!

⑨ ケースを組み立てる

ケースの組み立ては板をネジ止めするだけなので、省略します。
(プレートのネジ止め詳細は『MiniAxe LP 組立説明書のページ』を参照して下さい)

⑩ キースイッチをはめる

キースイッチは、事前にkrytoxオイルでぬるぬるにしています。
(やり方は自作キーボードでキースイッチの打鍵感を滑らかにする【Lube】 で詳しく書いています)

▼キースイッチをはめたところ
キースイッチをはめたところ

⑪ キーキャップを乗せて出来上がり

▼miniaxe(lp)の出来上がり
miniaxe(lp)の出来上がり

キーキャップは白と黒しかなかったので、赤は自分で塗りました。
ベタベタな上にまだらですが、そこはスルーでお願いします(笑)

▼miniaxeの通常版とLP版
miniaxeの通常版とLP版

MXスイッチのminiaxe通常版(左側)とminiaxe(lp)を並べたところです。
かなりの省スペースですね!

完成から1週間ほど経ちますが、すっかり夫のメインキーボードとして愛用されています♪
一生懸命作った甲斐があります!

自作キーボードminiaxe(lp)を作るのに使った工具類

最後に、自作キーボード「miniaxe」の製作で役立つ工具類を紹介します。

自作キーボードでキースイッチの打鍵感を滑らかにする【Lube】

【追記あり】ロープロファイルのキースイッチもぬるぬるにしました〜2019.3.14

ロープロファイルのキー軸を遊舎工房で試していたところ、Lubetなるぬるぬるのキースイッチを発見。
ふつうのchoc switchとの違いを店員さんに訪ねてみると、キースイッチに潤滑油を塗ったのがLubetだ
とのことでした。

早速、潤滑油を購入して、試してみました。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

キースイッチ(MX)をぬるぬるにしよう♪

すでに組み立て済のminiaxe(MX)のキースイッチを外して、ぬるぬる化してみました。
Blue Zilents V2の62gのスイッチです。

購入したのは「Krytox GPL 100」という潤滑油です。
AmazonではDerby Worx DWXKT01 Krytox GPL 100 5mlが現在売り切れ中。
モノタロウでもクライトックスGPLオイル 105の取扱はありますが、容量が個人向けではないですね。
(遊舎工房では少量に小分けして売っていました)

やり方は、キースイッチを開けて、キーを押した時に中でこすり合う部分にkrytoxオイルを塗って、元に戻すだけです。

1回やり方が分かれば、とてもカンタンです。
写真と説明を載せておきます。

▼キースイッチを分解する
キースイッチを分解する

キースイッチの両脇に爪があるので、ピンセットなどで押し上げて分解します。

krytoxオイルを塗るには、筆を使います。
ヨドバシでタミヤ 平筆が80円でした。

▼キースイッチを分解したところ
キースイッチを分解したところ

上の写真のように4つのパーツに分かれます。

Krytoxオイルを塗るのは、右の3つのパーツです。
下側のパーツと水色のプラスチックパーツが接触する部分、それにバネの上下にkrytoxオイルを筆で塗っていきます。

▼krytoxオイルを塗るところ
krytoxオイルを塗るところ

krytoxオイルは取りすぎないよう、筆先をオイルに浸した後に入れ物の端っこで筆を軽くしごきます。
平筆なら上下とも軽くしごいて、余分なオイルを落としてから塗ります。

赤い印が付いてる溝(凹)に、水色のプラスチックパーツの両脇にある凸部分がはまります。
キーを押すと上下に動いてこすれるのが溝部分なので、ここにkrytoxオイルを塗ります。
中心の円柱の周りと底面にも塗ります。

次にバネの端にkrytoxオイルを塗り、塗った側を下へ向けて、円柱部分にはめます。
はめたら、バネの反対側にもkrytoxオイルを塗っておきます。

▼krytoxオイルを塗る場所
krytoxオイルを塗る場所

水色のプラスチックパーツの両脇に有る凸部分(赤い印)にもkrytozオイルを塗ります。
内側は、円柱周りを中心に全体的に残りのオイルを塗ります。

あとは、元通りにキースイッチを組み立てればOKです。

水色のプラ部品と上に乗せるフタ部分は、どちらも向きがあり、、間違えるとキーが戻らなくなったりします。

向きを間違えないように気をつけましょう。

《MXスイッチに潤滑油を塗るやり方の参考動画》
参考動画リンクMXスイッチに潤滑油を塗るやり方(説明は英語)

試しに、krytoxオイルを塗ったキースイッチと塗ってないのとを夫に押し比べてもらったところ、まるで違う! すぐに分かる! とのことでした。
(私はそれほど違いを感じなかったので聞いてみました)

夫曰く、HHKBのtype-sほどではないが、HHKBのBluetoothよりは滑らかだそうです。
使う本人が違いを感じて喜んでるので何よりです。

Lube化作業の様子を夫が撮影してくれました。

動画URL https://youtu.be/ImKE5eRnjkU

※ 筆にレジンと書いてますが、無視して下さい。
レジン用に買ってきて間違えないようにレジンと書きましたが、まだ使ってなかったのでLubeに使いました。

ロープロファイルのキースイッチもぬるぬるにしよう♪

ロープロファイルのキースイッチもkrytoxオイルで滑らかにしました。
Kailh Low Profile Choc Switchesの赤です。

▼キースイッチを開ける
キースイッチを開ける

MXのときと同様に側面にある爪を外して、スイッチを分解します。

▼キースイッチ(lp)を分解したところ
キースイッチ(lp)を分解したところ

キースイッチを分解すると5つのパーツに分かれます。

左から、フタ部分、スイッチを上下するプラスチック部品、コの字型の針金、バネ、底の部分。
右の4つ、フタ部分以外に潤滑油を塗っていきます。

ですが、左から2番目の赤いプラ部品、よく見ると凹みのところにすでにゼリーが塗ってあります。
ここはそのままにします。
ゼリーが取れないように注意して他の箇所にkrytoxオイルを塗っていきます。

こちらも、スイッチを押した時にこすれる場所に塗っていきます。

赤いプラ部品でkrytoxオイルを塗るのは、、針金が通る2つの穴、側面の出っ張り、棒、棒の周りの穴に塗ります。
コの字型の針金は、両足の部分に塗ります。
バネは両端に塗ります。
底のパーツは、内側の両端にある溝、中心の円柱の外側に塗ります。

▼底の部分
底の部分

ピンク色の印が付いてる凹み(溝)は赤いプラ部品の側面にある出っ張りがこすれるところです。

▼針金を戻す位置
針金を戻す位置

コの字型の針金(スタビライザー?)を乗せる場所には注意して下さい。
フック(ピンク色の印)の外側へ下ろすように乗せます。

フタと底のパーツには向きがあるので、間違えないように戻します。

動画URL https://youtu.be/P2bbhMV1L-E

夫に動画を撮ってもらいましたが、接写のため細かいところが見えにくいかも知れません。

自作キーボードのkeebio「IRIS」をpromicroとキースイッチをソケット化して作ってみた

夫がIRISにファームウェアを焼いてるところ

自作キーボードkeebioの「IRIS」を作ってみます。
IRISはProMicroとキースイッチをPCBに直にはんだ付けしますが、あえてProMicroとキースイッチを再利用できる仕様にして組み立てたいと思います!

思うように行かなかった点もありましたが何とか完成させたので、気づいたことなどあれこれ含めて解説します。

◎このページの内容
1 自作キーボードirisのキットと追加購入したもの
2 irisの組み立てで仕様変更する箇所
3 自作キーボードirisを作る作業手順
4 IRISを作るのに使った工具類

※この記事内の写真はクリックすると、別ウィンドウで大きい画像を表示します。
※keebioのirisを自作するのに使った道具類は最後に載せています。

自作キーボードirisのキットと追加購入したもの

「IRIS」のキーボードキットはkeebioで購入しました。

① Iris Keyboard – PCBs for Split Ergonomic Keyboard(Black PCB Kit) $17.99
② TRRS Cable *1 $3.99
③ Pro Micro(5V/16MHz)Arduino-compatible ATmega32U4 *2
④ Iris Keyboard – Case/Plates *1
送料 $24.22
合計 $87.17(およそ10,000円)

キースイッチとキートップは、秋葉原の遊舎工房にて購入しました。

✓ キースイッチ*56 5コで700円=7,000円ちょい
✓ キートップ*56 1コ54円=3,000円ちょい

keebioでの買い物が分かりにくいので、中身を書いておきます。

①が本体部分です。
左右のPCB基板、ダイオード(余裕ある個数)、TRRSケーブルのジャック*2個、リセットボタン*2個(何に使うか不明な抵抗2本)がセット
②左右をつなぐTRRSケーブル
③ProMicro*2個、ピンヘッダ*4個
④キーボードケース(左右セット)、組み立てに必要なネジ類
※ 注文から10日間くらいで届きます。

irisの組み立てで仕様変更する箇所

Pro Microをコンスルーに変更
Pro Microには2本のピンヘッダがセットで付いていて、はんだ付けする仕様になっています。
そのピンヘッダをスプリングタイプのピンヘッダ「コンスルー」に変更します。
コンスルーを使うことでPro Microの取り外しができるようになり、他のキーボードを作る時に再利用できます。

《追加で買ったもの》
✓ コンスルー*4 1本220円=880円
遊舎工房にて購入)

キースイッチはホットスワップ対応に変更
キースイッチをはんだ付けせず、ベリリウム銅でホットスワップ対応にします。
ベリリウム銅をPCBにはんだ付けすることで、キースイッチ(とキートップ)が取り外し可能になり、別のキーボードに使いまわすことができるようになります。

※ 自作キーボードのパーツではキースイッチ(軸)が予算がかさみがち、再利用化でお財布にやさしくなります。

《追加で買ったもの》
✓ Mill-Maxソケット*120個 5,000円くらい
100個入り3780円と20個入り(金額忘れました)を買いました。
Mill-Maxはキースイッチをソケット化するベリリウム銅のパーツです。
遊舎工房にて購入)

自作キーボードirisを作る作業手順

irisの製作工程は『keebioのIris Build Guidesページ』を参考にしました。

▼irisの作り方は、以下のようになります。
1 Pro MicroのUSB差込口を強力接着剤などで強化する
2 ダイオードを折り曲げる
3 PCBの左右を決める(以下の4工程は片側ずつ)
  3-1 ダイオードをはんだ付けする
  3-2 リセットボタンとTRRSジャックをはんだ付けする
4 Pro Microにコンスルーをはめる
  4-1 Pro Microにコンスルーをはんだ付けする
5 リセットボタンとTRRSジャックをはんだ付けする
6 はんだ付け済のPro MicroをPCBに差し込む

7 キースイッチをはめる
8 スイッチ軸の穴にベリリウム銅を挿してはんだ付けする
9 ケースを組み立てる
10 キートップをはめる
11 ファームウェアを焼く

★ 作業手順7の前に、ファームウェアだけ先に焼くことも可能です。

それでは、各作業を順番に解説していきます。

1 Pro MicroのUSB差込口を強力接着剤などで強化する
Pro MicroのUSB差込口を強化
自作キーボード界隈ではPro MicroのUSB差込口がもげやすいと言われています。
その対策として、Pro Microの基板上と差込口のところ(青い囲み)に強力接着剤を載せて固めます。

接着剤が完全に固まるまで24時間かかるので最初にやっておきます。

2 ダイオードを折り曲げる
ダイオードを折り曲げる
ダイオードを挿す穴の間隔は約8mmでした。
それに合わせてダイオードを軽くおっておきます。
(上の写真は折りすぎてるので、もっと開いてていいと思います)

IRISのケース(板)を3枚ほど重ね、それで折り目をつけると良いとありました。

3 PCBの左右を決める
IRISのPCB

IRISのPCBは左右同じ形です。
片面には【R】や【D】といったパーツの設置箇所に目印がついていますが、反対の面はマークがありません。

先日組み立てた「miniaxe」は左右対称のPCBで、どちらも【D】や【R】などの目印を見ながら作業できました。

IRISでは左右どちらかの分を目印なしで作業することになります。
間違えると右手が2枚、もしくは左手が2枚できてしまいます。

左右を決めたら、片側ずつダイオードのはんだ付け作業に入ります。
はんだ付けの前は、フラックスを塗るのを忘れずに。

3-1 ダイオードをはんだ付けする
ダイオードは乗せる場所と向きを必ず確認しましょう。

▼ダイオードの向きを合わせてPCBに乗せる
IRISのPCBでダイオードを乗せる箇所と向きの確認
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

ダイオードをはめるところは【D_XX】という目印がピンク色という目印があります。
片方のPCBで28箇所、右と左で合わせて56箇所です。

ダイオードは乗せる向きがあります。
ダイオードをはめる穴をよく見ると、○(黄色の印)と□(緑色の印)になっているのが分かります。
□の方にダイオードの黒い側がくるように向きを揃えてはめます。

▼PCBにダイオードを乗せる
PCBにダイオードを乗せる
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

ダイオードの向きが間違ってないか確認したら、マスキングテープで仮止めします。

▼マスキングテープで止めておく
マスキングテープで止めておく

私は一気にはんだ付けしたいので、右手と左手のPCBを2枚とも準備しました。

▼ダイオードを仮止めし終わった
ダイオードを仮止めし終わった
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

ダイオードの両足で不要な分は先に切ってからはんだ付けしてもいいです。
私は後で切ります。

▼ダイオードのはんだ付け完了
ダイオードのはんだ付け完了(裏)
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

右側と左側のはんだ付けが完了しました。
(PCB全体写真で『上』と書いてたりシールが貼ってあるのは、PCB左右で裏表を間違えないためです)

▼PCBをひっくり返して確認
ダイオードのはんだ付け完了(表)
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

PCBをひっくり返して、反対側のはんだ付けを確認したら、ダイオードの足で出てる部分をニッパーで切ります。
ビニル袋の中で作業すると、切ったピン先が飛んで行きにくくなります。

▼余分なピンを切ったPCB
余分なピンを切ったPCB

4 Pro Microにコンスルーをはめる
スプリングピンヘッダのコンスルー

上の写真がスプリングピンヘッダのコンスルーです。
Pro Micro1枚に2本使うので、4本買いました。

▼コンスルーの向き
コンスルーの向き

コンスルーは差し込む側が決まっています。
向きを確認するには『窓』(黄色い印)を見ます。

窓との距離が近い方(赤い矢印側)をPro Microに挿します。
窓との距離が遠い方(青い矢印側)はPCBに挿します。

コンスルーをはめる際は、もうひとつ確認することがあります。
表裏(外と内)の向きです。

コンスルーには、窓の有る側と窓のない側があります。
コンスルーをPro Microに挿す時は、どちらのピンヘッダも窓側が同じ方を向くように挿します。

▼コンスルーの窓側の向き
コンスルーの窓側の向き

上の写真では、どちらのピンヘッダもちゃんと窓側が手前を向いています。

▼コンスルーの向き(2)
どちらのピンヘッダも窓のない側が手前に向いている

上の写真は、ひとつ上の《コンスルーの窓側の向き》のPro Microを反対側から写したところです。
どちらのピンヘッダも窓のない側が手前に向いています。

窓の有る側と窓のない側は同時に確認できるような向きがコンスルーを挿す時の正しい方向です。

コンスルーのピンはズレやすいので、しっかり奥まで差し込んだらマスキングテープで仮止めして動かないようにしてはんだ付けします。

IRISでは左右でPro Microを乗せる向き(裏表)が逆になります。
下の写真のようにUSB差込口が上に来る方と下に来る方があります。

4-1 Pro Microにコンスルーをはんだ付けする
Pro Microにコンスルーをはんだ付けする

ピンヘッダの角度や刺さり具合を確認しながら、コンスルーの両端のピンをはんだ付けしました。
両端がはんだ付けできたら、ピンが浮いたり斜めったりしてないか再度確認し、テープをはがして他のピンもすべてはんだ付けします。
(角度がズレるとPCBに刺さらない)

5 リセットボタンとTRRSジャックをはんだ付けする

▼リセットボタンとTRRSジャックを設置する場所
IRISでリセットボタンとTRRSジャックを設置する場所

リセットボタンは【Reset】と書いてあるので分かりやすいと思います(赤い囲み)。

TRRSケーブルのジャックは、親指の内側辺りです。
IRISのPCBは左右同一企画なので、右と左で黄色い印を使うか、青い印を使います。

TRRSケーブルジャックのピンを合わせれば分かります。

▼リセットボタンとTRRSジャックを仮止め
リセットボタンとTRRSジャックをマグキングテープで仮止め

リセットボタンとTRRSケーブルのジャックをPCBにはめて、マスキングテープで仮止めしたところです。

しっかりはまってるのを確認したら、はんだ付けします。

6 はんだ付けしたPro MicroをPCBに差し込む
▼はんだ付けしたPro MicroをPCBに差し込んだIRISのPCB
はんだ付けしたPro MicroをPCBに差し込んだIRISのPCB
※クリックするとPCB全体の写真が見られます

PCBに先ほどはんだ付けしたPro Microを差し込みます。
左手と右手でPro Microの上下の向きが逆さまになります。

ProMicroとPCB(基板)の間に挟まってる黄色いのは、絶縁テープ(ポリイミド)です。

★この時点でファームウェアの書き込みができます。

USBケーブルを挿すと、キーボードが認識されてました。
コマンド入力して、リセットボタンを押すとその間にファームウェアを焼くことができるそうです。
ファームウェアの焼き込みは夫の担当なので、教わったやり方をカンタンに書いておきます。

promicroにGNDにつながってるピンが2つ並んでるところがあるので、そこをピンセットなどで同時に触れてショートさせる(=リセット)

ふつうのコマンド入力ではエラーを繰り返したが、QMK Toolboxを使ったら上手く焼けました。

この状態だと、キースイッチをはめる前に全部のキーボードが正しくはんだ付けされてるか=各キーで入力されるかの確認もできます。

7 キースイッチにベリリウム銅のソケット化パーツをはめる
本来はキースイッチを挿して基板に直接はんだ付けします。
が、今回はキースイッチをソケット化してみたいので、まずベリリウム銅のパーツをひとつずつ付けていきます。

キースイッチにソケット化用のベリリウム銅パーツをはめるのが、実はものすごく大変でした。

▼ベリリウム銅のパーツをはめた65gのキースイッチ
キースイッチにベリリウム銅のソケット化パーツをはめる

BlueZilent(v2)スイッチ62g(一番薄い水色)が在庫切れの時に、65g(少し濃い水色)のスイッチを購入しているので、今回のIRISには手元に有る65gのスイッチを使うことにしました。

キースイッチをはめるための出っ張りが、2本あります。
1本はすんなりはまるのですが、薄っぺらいヘラ状の出っ張りにはそのままだと挿せません

試しに、miniaxeで使っている62gのスイッチを取ってはめてみると、こちらは問題なくはまりました。

どうやら、65g(少し濃い水色)のスイッチとベリリウム銅のパーツが合わないようです。

ベリリウム銅のパーツがはまらない方、ヘラ状の平たい出っ張りはよく見てみるとバリが結構あります。

剣先のような細長い五角形の中に芯が通ってるような感じです。
芯の周りにはみ出たバリの部分をニッパーでカットして、細くすることでベリリウム銅がはまりました。
これを全キー(28個*2枚)分やりました…

▼ベリリウム銅をつけたキースイッチをアップで
ベリリウム銅をつけたキースイッチ

8 PCBにキースイッチをはめて、ベリリウム銅のパーツをはんだ付けする

片側のPCBは全部のキースイッチを挿して、マスキングテープを貼って作業したのですが、すごくやりにくかったです。
一度にすべてのキースイッチを付けるより、1〜2個ずつの方がはかどります。

下の写真で、PCBにある差込口の穴を見て下さい。
ひとつはピッタリサイズの穴ですが、もうひとつは穴が長く(青い囲み)ベリリウム銅を寄せながらはんだ付けしなくてはなりません。

▼穴の端へ寄せながらはんだ付け
PCBにキースイッチをはめて、ベリリウム銅のパーツをはんだ付けする

私は爪楊枝を挿しながら作業しました。
(上の写真で左→右に、はんだ付け終了、はんだ前、はんだ作業準備中です)

9 いったん、キースイッチを外す
ベリリウム銅パーツのはんだ付けが終わったら、いったんキースイッチを外します。

▼PCBからキースイッチを外す
いったん、キースイッチを外す

浮いてるところがないか、目で確認します。

10 ずれてるベリリウム銅があれば直す
しっかりはまってないところ、浮いてしまってるベリリウム銅は直します。
でないと、キースイッチを乗せたときに高さが違ってしまいます。

▼浮いてしまったベリリウム銅がないか確認
ずれてるベリリウム銅があれば直す

直し方はカンタンです。
はんだしてない側のベリリウム銅パーツの穴に爪楊枝を挿してから、PCBをひっくり返します。

爪楊枝を支えにする感じで、PCBを平らに持ちます。
温めたコテ先で基板上のはんだを溶かすと同時に軽く基板を押します。
このやり方だと、はんだが溶けた瞬間にスポッときれいにはまります。

動画URL https://youtu.be/x5XEGQvdaVU

動画では基板しか見えませんが、基板の下側に刺さってる爪楊枝が支えになっています。

11 ケースを組み立てる
ケースの組み立ては見たままです。

▼ケース板を組み立てる
ケースを組み立てる

金色のパーツを乗せて、下側の穴からネジ止めします。
この上にPCB、キーボードの枠組みになってる板を乗せてネジ止めします。

12 キースイッチを入れて、キーキャップをはめる
ケースのネジ止めができたら、ソケット化しておいたPro MicroをPCBに挿して、キースイッチをはめこみます。

▼ケースをネジ止めしてキースイッチをはめる
キースイッチをはめこんだところ

ここまで問題なく(あっても解決しながら)作業してきましたが、最終段階で問題発生です。

IRISは左右のPCBで同じ形状です。
そのため、Pro Microも左手と右手で裏表の向きが逆になります。

PCB側にMPUが向く左手は、Pro Micro上に載ってるパーツとキースイッチの足が干渉することに気づきました。
下の写真を見て下さい。

▼わずかに刺さりきらない
Pro Microが奥まで刺さらない

左手はPro Microが刺さりきってない(赤い印)。
右手はPro Microが奥まで刺さっている(青い印)。

Pro Microの位置とかぶるキースイッチも刺さりきりません。
他のキースイッチもPro Microに近いほど浮き気味になります。

入力テストをしましたが、認識はしており使うことは可能です。
悔しいですが、ここまできたので、とりあえず仕上げます。

▼IRISが完成
keebioのIRIS完成

キースイッチが微妙に浮いてるのは難ありなので、近いうちにどうにかしようと思います。

【分かったこと】
keebioのIRISでキースイッチのソケット化は厳しかった。
ケースとPCBのすき間の高さがギリギリなので、ソケット化に使うベリリウム銅のパーツがPro Microとぶつかってしまいます。

自作キーボードIRISを作るのに使った工具類

最後に、自作キーボード「IRIS」の製作で役立つ工具類を紹介します。