ネットでジャンクPCを買う時は慎重に(2)〜レッツノートCF-S9ジャンク分解日記(20160524)

2016-06-06

ノートパソコン(Let’s NOTE)のジャンクを分解・清掃・交換・修理→再生させる作業の日記です。

今回は、ジャンク【レッツノートCF-S9】の分解・清掃・修理の作業をします。

知人からジャンクの再生を頼まれました。
届いたのは、見るからにジャンクなレッツノートS9が三台です。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

今回のLet’s Note S9ジャンクPCの状態【2台目】

まずは、ノートパソコンの状態確認から。

    【2台目】

  • ケーブル無し
  • メモリ1GB(にわざわざ交換されてる)
  • メモリ差込口(上段)のレバーが曲がってる(そのままではメモリが刺さらない)
  • 底面のメモリふた周りが大きく破損(穴)
  • PCカードスロット無し・ふたに凹み
  • 外部内部のネジ不足多数・でたらめ
  • BIOS画面確認できず

▼メモリのふた周りが大きく破損
ジャンクのレッツノートCF-S9の底面、メモリのふた周りが大きく破損して穴が開いてる

パッと見では分かりにくいですが、ふたの周囲が下半分割れています。
ふたを開けると、メモリの開閉レバーが曲がっておりふつうに差すだけではメモリが入りません。
ピンセットでレバーを開いた状態で固定すればささりますが…それを良しとする人はあまりいないですね。

一番驚いたのが、メモリを1GBに入れ替えていたこと。
1GBのレッツノートCF-S9なんてあり得ません(汗

更に、ネジ類がでたらめにはめられていたのも参りました。
別のネジを無理やりはめてるので、クルクル回るばかりで外せないネジなどあり、開けるのに苦戦しました。
下手したら、開けることもままならず終了していたかも。

激ジャンクPCを再生させる【2台目】

2台目のS9はインストール画面は見られるけど、BIOS画面が確認できない状態。
BIOSを見て状態確認をしないと先へ進まないので、まずはこのPCの状態確認をします。

インストール画面でCtr+Alt+Delして、F2を押すも真っ黒なまま。
※ インストール画面というのは、真っ黒な画面に「Install Boot Media in selected Boot device and press a key」というメッセージが表示される画面のことです。

液晶モニターの不具合も考慮して、別のモニターに接続するもやはり映りません。

とりあえず分解して、内部を清掃。
再度起動してみます。
外部接続(USB接続)のキーボードでつないだところ、BIOS画面が見られました。

Ctr+Alt+Delは問題なく使えていたので、FunctionキーかF2キーが壊れていたようです。
が、キーボードは換えがあるので、どちらのキーかまでは特定しません。

BIOS情報を見ると、累計利用時間が3000H未満と判明したので、どうにか再生したいところです。

4GBのメモリを入れて起動を試みるも…またもや画面の表示をしなくなりましたorz
メモリを別のものに換えるも、画面は映りません。

今度はメモリの差込場所を変更してみます。
下段(マザーボードに近い方)でなく、上段(外から差し込める方)にメモリを入れて、電源を入れてみたところ、画面が表示されました。
どうやら、このPCは下段のメモリ差込口が壊れているよう(認識しない)です。

SSDを入れて、Windowsをインストールしたところ、無事インストール完了。
無線LANもがっちりつかんでいるしOKかな…
と思ったのですが、再起動してみると、画面解析度が低くなっています。
さらに再起動したところ、通常の解析度に戻りました。

短時間の起動だけでは気付きにくい熱暴走

ところが!
BIOS画面で現在時間を設定していたらいきなり落ちました。
その後、何度か再起動を繰り返すも、起動間もなくバッツンバッツン落ちます(汗

この落ち方は、どうも熱暴走臭いです。
送風口近くに耳を近づけて音を聞いてみると、ファンの回転音が聞こえません。

ファンを確認するために、再度、このジャンクPCを分解。
トップカバーをはずし中が見える状態で、電源を入れてみます。

…残念ながら、ファンは回っていませんでした。
ファンが回らなければ、時間の経過とともに内部に熱がたまり熱暴走してしまいます。

希望は薄いですが、ファンと冷却装置を交換してみます。
ファンの交換をしても、やはりファンは回りませんでした。

ファン自体が壊れているのではなく、マザーボードの方がおかしいようです。
1台目と同じですね。

マザーボードが壊れている以上、再生はできません。
部品取りにしても、メモリをわざわざ1GBに入れ替えてるのはどうなんでしょうね。

液晶モニターとDVDドライブは使えます。
ただ1台目の時も書きましたが、この2つはあまり困ってないんですよね…
バッテリーがあったのが救いです。
最近、バッテリー無しのジャンクレッツノートが多いので。

熱暴走は気付くのに多少時間がかかりませす。
起動の確認やBIOS画面を表示するくらいだと分かりません。

ファンの音がしないと分かった後、ファン付近を冷やしてみました。
すると案の定、起動時間が長くなりました。
もちろん、何度か再起動などしてるうちにとガツっと落ちましたが。

しかも、ファン自体の故障でなく、マザーボード側の問題では部品取り以外には使えません。
底面の物理的な破損、メモリを1GBに入れ替え、ネジがでたらめ、下段メモリ差込口が認識しない、挙げ句にファンが回らず熱暴走…かなりのジャンクでした。

ノートパソコンの分解に役立つ道具の紹介

ノートパソコンの分解・清掃などに役立つ道具類を紹介します。

《左上から時計回りに》
赤ちゃん綿棒
ファンのすき間など掃除に使います。せっかくノートパソコンを分解したなら、掃除もしておきましょう。
エアダスター
これも掃除用です。以前、秋葉原で安いのを買ったら連続使用ができなくて、安物外の銭失いになったことがあります。
すきまノズル
これも掃除用です。自宅でノートパソコンの分解をするので、何でもダスターで吹き飛ばすということはしません。埃やゴミはなるべく掃除機で吸い取って、吸い残しだけエアダスターを使います。 以前は、サンワサプライのバキュームアタッチメントを使ってましたが、掃除機を替えたら入らなりました。自宅の掃除機ホースの内径に合う方をどうぞ。
プラスチックのヘラ
ヘラはプラスチックも1本あった方がいいです。
金属のヘラ(スパッジャー)
金属のヘラで細長いのが1本あるといろいろ使えます。
VESSELのドライバー(+00)
ノートパソコンの分解に重宝するドライバーです。だいたい、これで行けます。
VESSELのボールグリップドライバー(+1)
写真は長さ違いで同じものが2本並んでます。底面のゴム足のとこやモニターのヒンジなど大きいネジに。力のいるねじ回しは大きめの方が接着面積が広くなって開けやすくなります。
精密ピンセット TS-15
ノートパソコンの分解には必需品です。中華製品など安いのだとグニャっとなります。ピンセットは信頼あるものを買いましょう。
ピックアップツール(マグネット)
ネジがなめかけてて出てこないとき磁石で取ったり、小さなネジを中に落としたとき拾うなどwリト活用します。なめかけネジを救った回数は数知れず(写真はiFixitに入っていたツール)
ラジオペンチ
写真のラジオペンチ(プライヤー)は先曲がりタイプです。ロングノーズ、先細など自分の使いやすいのでいいと思います。ジャンクを扱うときは結構使うことがあります。

あると便利なもの。


《左上から時計回りに》
クリーナー
内部の汚れ落としやグリスの塗り直しにも使います。
三角のヘラ
iFixitについてる三角のヘラは、ニコイチなどでモニターの枠を外したりするとき重宝します。スマホの電池交換でも役立ちます(細いすき間に差し込んで、そのまま挟んでおける)。 iPhoneの電池交換で付属品に中華製の三角ヘラがあったので使ったのですが、まったく別物でした。色まで同じ青にしてますが、中華のヘラはその場で壊れたので、自分の道具を出しました。
ネジすべり止め液
ノートパソコンのネジは小さい(細い)のが多いので、ネジがなめることがままあります。ジャンクだとなめかけのネジやなめ切ったネジはよく見かけます。ネジすべりどめ液はなめかけネジに重宝します。
iOpener
ノートパソコンやタブレットの内部にはホットボンドやシール接着がよく使われています。代わりのきかないシールなどは再利用できるように、iOpenerで丁寧に剥がします。

iFixitを買おうか悩んだら? セットのツールがすべて(自分にとって)使えるものではないと考えておきましょう。 自分には不要なツールがほとんどでも、欲しいツールがあるから良いと思える人にオススメです。
類似商品に注意しましょう。 似たようなツールのセットがiFixitより安価で販売されていますが、長く使いたい場合は信頼できるものを選んだほうが良いと思います。
《その他、写真無し》
マグネットシート(水道屋のでもOK)
ネジを分かりやすい配置で置いておけます。空の名刺入れに入れて使うと、作業の途中でフタできるのでなお便利。
ネジ入れに使う箱
同種のネジなどを分けて取っておきます。同じメーカーをよく分解するなど、ネジケースが役立ちます。チャック付きの袋(目薬が入ってるような袋)もねじ入れに使えます。