熱暴走で突然落ちると聞いていたS9の修理〜レッツノートCF-S9ジャンク分解日記(20160428)

ノートパソコン(Let’s NOTE)のジャンクを分解・清掃・交換・修理→再生させる作業の日記です。

今回の作業は【レッツノートCF-S9】が熱暴走して突然落ちるというので、状態確認と修理をします。

※このページにある写真は、クリックで大きな画像を表示します(別窓)。

今回のLet’s Note S9の状態

熱暴走で負荷かけると落ちるから、ファンの状態を確認して、必要ならグリスの塗り直しもお願い…ということで、知人からレッツノートのS9を預かりました。

熱暴走と聞いており、作業内容も指示をもらってますが、何はともあれ現在の状態を確認します。
症状の再現

電源を入れると、ふつうにWindowsが起動します。
しばらく付けっぱなしでも特に熱くなるようなこともなく、ファンの音も静か

負荷をかける意味で、無線LANで自宅のネットにつなぎ、動画を再生してみることに。
二時間ほど動画を再生しっぱなしでも変化なし

たまに、正常なS9のレベルが分からない人もいます。
S9のふつうの熱さレベルなのに「熱くなってる!」と感じたり、ふつうのファンの音なのに「異音がする!」と感じたりですね。

今回のS9は熱さについては全くふつう。
ファンの音で言えば、今まで触ったS9でも最高クラスに静かでした(笑)

どうしたものかな〜と悩んでると、夫が「負荷テストするソフト使ってみれば?」とアドバイスをくれました。

「え、そんなものがあるの?!」
ノートパソコンの分解前を趣味にするまで、本当に何も知らなかったので、負荷テスト用のツールがあるなんて知りませんでした(汗)

ネットで負荷テストの無料ツールをダウンロードして、早速使ってみました。
スレッドが4つ使えたので、フルで可動、それぞれ最高負荷にしてテスト開始です。

が…2〜3時間ほどしても落ちる気配は一向に無し。
ノートパソコンが突然落ちると言う症状なので、同じことを再現しないとどうしてイイか分かりません。

知人に、これまでやってみたことを伝えてから、どんな作業をしていて落ちたのか教えてほしいとメールしました。

どうやら、Windows7sp1にしようとしても、途中で落ちてアップできないとのことでした。

なので、こちらでWindowsのアップデートをしてみることに。

▼WindowsUpdateを開始してみる
レッツノートS9が突然落ちてWindowsUpdateができないとのことなので実際に更新作業をしてみる

WindowsUpdateの画面を見ると、36個の重要なアップデートが溜まっています(ゾッ)
更新ボタンを押して、アップデート作業を開始すると…1/3くらいで落ちました。

ここでようやく、状態の確認が取れました。

ファンのチェックとグリスの塗り直しと言われていましたが、そばで見ていた夫曰く「OSかメモリが怪しい」と。
ドライブの当て方がおかしいかも知れないから、Windowsの再インストールをしてみればと教えてもらいました。

で、知人に再インストールの作業をするよと報告。
ここで、ちょっと待ったがかかりました。

再インストールするなら、新しいSSDにして欲しいとのことでした。
なんか、向こうにも事情があるんでしょう。
できれば、この今のSSD(と中に入ってるWindows)でどうにかして欲しいと言うことみたいです。

ここで夫が「メモリが怪しいから、まずは外側のメモリをはずしてみて、マザーボードの直ぐ上(下側)のメモリだけでもう一度Windowsのアップデートをしてみたら?」とアドバイスをくれました。

なるほど!
と言う訳で、裏ブタ側のメモリをはずします。
4GBあったメモリが、2GB一枚だけに。
この状態で、Windowsのアップデートに再挑戦です。

▼メモリの上側と下側
レッツノートS9のメモリの上側と下側

上側だ、下側だと、文字で書いても分かりにくいので写真を載せておきます。
レッツノートS9にメモリの差し込み口は上下2箇所です。
写真だと下側だけにメモリが刺さってる状態です。
ピンク色の方の差し込み口を上側
オレンジ色の差し込み口を上側と呼んでいます。
購入時は、通常下側にメモリが刺さっています。
メモリを追加する場合は底面の裏ブタを開けて差しますが、そこが上側の差し込み口になります。

さて、メモリは下側の一枚差しにしました。
しかし、これでもまた途中でパソコンが落ちました。
ならば、今度はいよいよノートパソコンを分解して、下側のメモリをはずし、上側にメモリを差してアップデートに再挑戦です。

※ S9の基本的な分解方法については『ノートパソコン Let’sNOTE CF-S9の分解(図解)』で写真付きで解説しています。

パソコンを開けると、マザーボードの裏側にメモリが差してあります。
これを抜いて、いったん全部はずします。

もしかして、メモリ二枚とも不具合があるかもしれないので、念のため自宅にあった予備のメモリを使います。
(S9のメモリは常備してます)

先ほどは下側に一枚だけ差して失敗したので、今度は下ではなく上側に差します。

開けたパソコンを全部閉じてしまうと、この作戦が失敗だった時に面倒です。
最低限のケーブル類だけつないで、Windowsのアップデートをします。
トップカバーは仮止め、キーボードは外付けです。

▼WindowsUpdateを開始してみる
レッツノートS9でメモリ交換、位置の交換でとりあえず突然落ちることなく、アップデートが完了

そして、このやり方でようやくWindowsの重要なアップデート36個が完了しました!!

差してあったメモリのどちらかに不具合があるのか、
メモリ差し込み口(下側)がおかしいのか、
どちらかと思いますが、今回はそこまでの原因特定は不要、メモリを交換して正常に動くならOKと言われましたので、ここで私の作業も終了です。

ファンは最後まで静か、熱も他のS9と同じくらいで熱暴走ということはなく、原因はメモリ絡みでした。

ノートパソコンが突然落ちるのは熱暴走と言う訳ではないので、落ち着いて原因を探してみましょう。
まあ今回は9分9厘、夫のおかげで解決したんですけどね(笑)

ノートパソコンの分解・修理も経験の積み重ねですね。
日々これ勉強、そしてそれがまた楽しいです!

ノートパソコンの分解に役立つ道具の紹介

ノートパソコンの分解・清掃などに役立つ道具類を紹介します。

《左上から時計回りに》
赤ちゃん綿棒
ファンのすき間など掃除に使います。せっかくノートパソコンを分解したなら、掃除もしておきましょう。
エアダスター
これも掃除用です。以前、秋葉原で安いのを買ったら連続使用ができなくて、安物外の銭失いになったことがあります。
すきまノズル
これも掃除用です。自宅でノートパソコンの分解をするので、何でもダスターで吹き飛ばすということはしません。埃やゴミはなるべく掃除機で吸い取って、吸い残しだけエアダスターを使います。 以前は、サンワサプライのバキュームアタッチメントを使ってましたが、掃除機を替えたら入らなりました。自宅の掃除機ホースの内径に合う方をどうぞ。
プラスチックのヘラ
ヘラはプラスチックも1本あった方がいいです。
金属のヘラ(スパッジャー)
金属のヘラで細長いのが1本あるといろいろ使えます。
VESSELのドライバー(+00)
ノートパソコンの分解に重宝するドライバーです。だいたい、これで行けます。
VESSELのボールグリップドライバー(+1)
写真は長さ違いで同じものが2本並んでます。底面のゴム足のとこやモニターのヒンジなど大きいネジに。力のいるねじ回しは大きめの方が接着面積が広くなって開けやすくなります。
精密ピンセット TS-15
ノートパソコンの分解には必需品です。中華製品など安いのだとグニャっとなります。ピンセットは信頼あるものを買いましょう。
ピックアップツール(マグネット)
ネジがなめかけてて出てこないとき磁石で取ったり、小さなネジを中に落としたとき拾うなどwリト活用します。なめかけネジを救った回数は数知れず(写真はiFixitに入っていたツール)
ラジオペンチ
写真のラジオペンチ(プライヤー)は先曲がりタイプです。ロングノーズ、先細など自分の使いやすいのでいいと思います。ジャンクを扱うときは結構使うことがあります。

あると便利なもの。


《左上から時計回りに》
クリーナー
内部の汚れ落としやグリスの塗り直しにも使います。
三角のヘラ
iFixitについてる三角のヘラは、ニコイチなどでモニターの枠を外したりするとき重宝します。スマホの電池交換でも役立ちます(細いすき間に差し込んで、そのまま挟んでおける)。 iPhoneの電池交換で付属品に中華製の三角ヘラがあったので使ったのですが、まったく別物でした。色まで同じ青にしてますが、中華のヘラはその場で壊れたので、自分の道具を出しました。
ネジすべり止め液
ノートパソコンのネジは小さい(細い)のが多いので、ネジがなめることがままあります。ジャンクだとなめかけのネジやなめ切ったネジはよく見かけます。ネジすべりどめ液はなめかけネジに重宝します。
iOpener
ノートパソコンやタブレットの内部にはホットボンドやシール接着がよく使われています。代わりのきかないシールなどは再利用できるように、iOpenerで丁寧に剥がします。

iFixitを買おうか悩んだら? セットのツールがすべて(自分にとって)使えるものではないと考えておきましょう。 自分には不要なツールがほとんどでも、欲しいツールがあるから良いと思える人にオススメです。
類似商品に注意しましょう。 似たようなツールのセットがiFixitより安価で販売されていますが、長く使いたい場合は信頼できるものを選んだほうが良いと思います。
《その他、写真無し》
マグネットシート(水道屋のでもOK)
ネジを分かりやすい配置で置いておけます。空の名刺入れに入れて使うと、作業の途中でフタできるのでなお便利。
ネジ入れに使う箱
同種のネジなどを分けて取っておきます。同じメーカーをよく分解するなど、ネジケースが役立ちます。チャック付きの袋(目薬が入ってるような袋)もねじ入れに使えます。